後期研修医インタビュー

社会医療法人財団 石心会

埼玉石心会病院

埼玉県狭山市入間川2-37-20

名前 柴田 夏実 研修医
出身地 埼玉県行田市
出身大学 群馬大学
医師免許取得年度 2018年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

中学生のときの職場体験で地元の総合病院に行ったことがきっかけで、病院で働きたいと考えるようになりました。もともと看護師を目指していたのですが、高校時代に部活動のサッカーの試合中に前十字靭帯の断裂を経験し、入院と治療、1年少しにわたるリハビリ、再建の手術などを通して、医師に方向転換しました。怪我のために部活動を辞めざるを得なくなり、勉強に切り替えたことで、医学部に合格できたのかなと思います。

学生生活はいかがでしたか。

山に囲まれ、自然が豊かな大学でしたので、部活動と自然の中での遊びを満喫しました(笑)。私は中学では剣道部だったのですが、剣道は怪我をしないスポーツですし、前十字靭帯のリハビリを兼ねて、大学で剣道を再開することにしました。群馬大学の剣道部は東医体で7連覇するほどの強豪だったのですが、私は強いことを知らずに入部したので、初めは面食らいましたが、楽しかったですし、無事三段も取得できました。

初期研修の病院を深谷赤十字病院に決めたのはなぜですか。

出身地に近く、候補には上がっていました。見学に行きやすかったんです。それで見学に行ったら印象が良かったので、大学での実習でもお世話になることにしました。群馬大学の実習先の中で、埼玉県の病院は唯一、深谷赤十字病院だけでした。実習でも雰囲気の良さを感じました。研修医の人数もちょうど良く、上の先生方も楽しそうだったのを見て、こういうふうに研修できたらいいなと思いました。私の1年上の代は男性の研修医しかいなかったのですが、2年上には強い女性がいたんです(笑)。その先生が楽しそうに「やりやすいよ」と話してくれたのが大きかったですね。

初期研修を振り返って、いかがですか。

初期研修の頃、上の先生方から「この病院は初期研修医に色々な経験をさせてくれるから、この病院で初期研修ができたことはラッキーだったね」と言われていたのですが、当時はその実感はなく、必死にやるしかありませんでした。3年目になって振り返ってみると、初期研修医のうちに診ておくべきもの、経験すべきこと、遊んでおくべきことまで含めてさせていただけた病院だったと思います。私自身の勉強不足はかなりあったものの、有り難い研修環境をいただけていました。

先生が循環器内科を専攻しようと決められたのはいつですか。

初期研修2年目の春です。初期研修では選択期間がありますが、内科の勉強をしたいという意味もあって、循環器内科を取ることが多かったんです。それで循環器を診ているうちに、救急の現場から長い入院と退院まで、意識なく来院された患者さんが元気になって帰っていくプロセスを一番多様な症例で診られるのは循環器だし、一番かっこいいなと思って、循環器内科に決めました。

専攻医研修で埼玉石心会病院を選んだのはどうしてですか。

新専門医制度があるとはいえ、研修後は、大学入局というのがメジャーです。でも大学病院と市中病院では症例の幅や医師数が違いますし、私はより多くの症例を経験させてもらえる場として、市中病院を希望していました。そして埼玉県内には循環器内科が強い病院が4つあると知り、全てに見学に行きました。埼玉石心会病院を選んだのは第一印象です。カテ室や救急外来など見学し、雰囲気は病院ごとに違い、雰囲気が一番、私に合っていると思ったのが当院でした。それから専攻医の先輩方ともお会いしました。循環器内科にも一人いらっしゃって、見学では総合診療科の専攻医の方に案内していただきました。お2人とも充実した研修をされていると話してくださりました。救急の当直現場では専攻する科が違っても共通の仕事をしますが、違う科にいる専攻医の先輩方が2人とも充実しているとおっしゃっていたことが私もここで働きたいという決め手になりました。

専攻医研修で勉強になっていることを教えてください。

全部が勉強です。医師数が多く、かつ出身大学が違うので、先生方の間に偏りがありません。治療法にも、それぞれの先生方の根拠ややり方があり、私はそれぞれの先生方から教わることができています。毎日、カテーテルの助手に入って、勉強させていただいているだけでなく、循環器内科の救急外来対応を週2~3日担当させてもらっています。初期研修医のときは帰すか、帰せないかの判断を最低限できればなんとかなりましたが、専攻医研修では「帰してもいいけど、次の検査は何をしよう」と、長期的に診て、しっかり治すことにシフトしたことが初期研修との大きな違いです。これまで大して読めていなかったガイドラインを読み、救急外来からカテーテル室に戻っては指導医の先生に話を聞いてアドバイスを受け、また救急外来に走って戻って対応するという日々で、全てが勉強になっています。

指導医の先生方のご指導はいかがですか。

皆優しいです。いつ聞いても、診断、治療法、そのタイミングまで、何でも教えてくださいます。カテーテル室で困った顔でうろうろしていると、声をかけてくださるぐらいです(笑)。本当にお世話になっています。

病院に改善を望みたいことはありますか。

特にありません。専攻医研修の最初の3カ月に循環器内科を回ったのですが、次が決定していないので、近いうちに面談があります。今年は新型コロナウイルスの影響で、予定外の発熱外来で勤務するなど、かなりイレギュラーなことが多かったです。もちろん、それが悪いことではないのですが、私としては循環器内科をしっかり学びたいので、面談の際に相談するつもりです。そうした話し合いの場を持ち、柔軟に決めていこうというシステムは有り難いです。

発熱外来はいかがでしたか。

最低限の人数で最低限の外来を行い、院内に感染を広げないという主旨での発熱外来だったと感じています。当初、ガイドラインのような正しいやり方が決まっていなかったので、自分で判断したことが良かったのか、悪かったのか、誰も分からない状態でしたが、結果として院内感染を起こしていないので、発熱外来の場での間違いはなかったのではないかと思っています。

初期研修医の指導にあたって、気を付けていることはありますか。

私もようやく当院での救急外来に慣れてきましたが、まだ何かと2年目の初期研修医の先生にお世話になっています。私自身の初期研修を振り返ると、初期研修医は簡単に提案できるんですね。責任もなく、そこに根拠があるのかどうかを考えないので、一言一言が軽くなってしまいがちです。たった数カ月の先輩でしかないからこそ、そうした気持ちも分かるし、そこを厳しく責めず、一緒に考える救急外来にできているのかなと思います。でもとにかく忙しく、大勢の患者さんがいらっしゃいますので、しっかりフィードバックできているのか不安な面もあります。

当直の体制について、お聞かせください。

内科では月に4回の救急当直があります。コンサルトする他科の医師もいますが、救急外来には上級医として入ります。そこに初期研修医が時間帯によって1人か2人つきます。夜間の上級医は交代制で、起こせば2人という体制です。

カンファレンスはいかがですか。

循環器内科は毎日、カテーテルと症例のカンファレンスがあり、心臓血管外科とのハートチームでのカンファレンスもありますので、カンファレンスの機会は多いです。自分の患者についても発表し、不安なことはしっかり聞くようにしています。かなりベテランの先生でもご自分の患者さんについてのお話をされますが、そこに皆さんが結構突っ込みます。ざっくばらんに皆で話しながら、疑問をぶつけ合えているカンファレンスなので、雰囲気も良いし、有意義な時間だと思っています。

コメディカルのスタッフとのコミュニケーションはいかがですか。

まだ慣れているわけではありませんが、皆さん優しいです。専攻医研修で新しい病院に来て初めて知ったこととしてはコメディカルの仕事は病院によって幅があるということです。ここまでは医師の仕事、ここからはコメディカルの仕事という線引きが違うので、自分が考えていることが当たり前だとは思わずに、きちんとコミュニケーションを取っていかないといけないなと感じています。これからの医師人生では異動が多くなるはずなので、なおさら大事にしていきたいことです。

何か失敗談はありますか。

慎重を期して動いているお蔭か、まだ大きな失敗はないと思っています(笑)。今は新型コロナウイルスの関係で、このエリアだとゴーグルや手袋をする、このエリアだとエプロンはいらないなど、エリアごとに防護服の着け方がきちんと決まっています。その決まりごとは日々変わっていくのですが、私は内科当直のとき以外は救急外来に降りないので、「昨日までは大丈夫だったけど、今日からこの先のエリアではこれを着けないといけなくなった」という変更を知らなかったりするんです。それで、救急外来に患者さんがいらしていて、私が無防備な格好で必死に走り回っていると、看護師さんに怒られることがありますね。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

循環器内科には1つ上の専攻医の先輩がいます。この病院を選んだきっかけになった先生で、話しやすい方なので、今も何でも話しています。自分のカテーテルの都合で当直に影響が出るときもうまく交代し合って、助け合っています。卒後4年目の専攻医は外病院に行くことになっているのですが、今年はまだいてくださって私はラッキーでした。

今後のご予定をお聞かせください。

白紙です。循環器内科医を目指して当院に入職したのですが、有り難いことに今の制度では内科専攻医という形で在籍していますので、専攻医研修の間は循環器にあまり特化せず、内科もしっかり診られる循環器内科医になりたいと思っています。来年は1年間、外の病院に出ますが、そうした観点から研修を組んでいきたいです。循環器内科といっても、それぞれの病院で虚血や不整脈、カテーテル治療などの強みが異なりますが、この先、医局に入るのか、当院に留まるのか、当院とは違う強みのある病院に行くのか、全く決めていません。サブスペシャリティも入口としては虚血なのでしょうが、心不全や不整脈、エコー、リハビリなど専門分野はたくさんあります。自分の人生設計とも相談しながら決めたいですし、焦ることでもないと考えています。

現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。

初期研修は病院中の先生に何でも教われる最後の2年間だということを今になってとても実感します。他科の先生方と話す際、専攻医1年目の今と去年までとはやはり違います。数カ月前でしたら「初めまして」の先生でも「あ、初期研修医の○○ね」と何でも教えてくださったのですが、今の私はまだ循環器内科医では全くないのに、他科の先生方は私の後ろの循環器内科というバックを意識されているような気がします。それでもこれからも色々な科の先生方に教わる姿勢は大切にしたいと思っています。

専門医制度についてもご意見をお願いします。

新しい専門医制度では内科専攻医に内科のスーパーローテートのような研修が理想だと聞き、大学病院ならかっちりしたスーパーローテートになるのかなと不安になり、自由が利きそうな市中病院を選んだ経緯がありました。実際に今、自由な研修をさせていただいているので、不満はありません。ただ、新専門医制度の仕組み、自分がやるべきことなど、自分でアンテナを張っていないと、制度の内容が分からなかったりします。もう少し統一された形で制度を教える場があるとありがたいです。当院では内科専攻医の説明会がなかったので、1つ上の先生に教わっています。

これから専攻医研修の病院を選ぶ初期研修医にメッセージをお願いします。

私は後悔しない研修ができています。どういう先生方がいるところで、どういう研修をしたいのか、何を学びたいのかという希望にはかなり幅があるので、大学病院や市中病院にこだわらず、やりたいことをやれる病院を自分の目で見て探すことが大切だと思います。初期研修の病院を選ぶときの見学は救急外来や研修医室がメインだったりしますが、専攻医研修の病院見学では専攻医のお話が私には一番分かりやすかったです。自分がこういう立場になるんだなという具体的なイメージが目に浮かびましたので、見学では専攻医と直接、話ができるように取り計らっていただけると有益だと思います。専門科の当番や、救外当番の制度は自分が思うより病院ごとにバラつきがあるので、それも自前に確認できるとよいかと思います。

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