専門研修インタビュー

2020-09-01

宮崎大学医学部附属病院(宮崎県) 専攻医 神谷俊樹先生(整形外科) (2020年)

宮崎大学医学部附属病院(宮崎県)の専攻医、神谷俊樹先生(整形外科) に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2020年に収録したものです。

宮崎大学医学部附属病院

〒889-1601
宮崎県宮崎市清武町木原5200

名前 神谷 俊樹 先生
出身大学 宮崎大学

医師を目指されたきっかけをお聞かせください。

特になにかはっきりとした事柄はないんですけど、昔から漠然と人の助けになるような仕事をしたいという風に考えていました、そこで直接人を助ける事のできる医師という職業に徐々に興味を持った感じです。特に高校生になってからは医師という職業に社会的な尊敬の念が生まれて明確に医師を志すようになりました。

初期研修はどちらで研修されましたか。

医学部卒業からそのまま母校の宮崎大学附属病院の方で働かせて頂きました。

初期研修を振り返ってみていかがでしたか。

宮崎大学の研修プログラムは、割と自由に外の病院も研修出来るプログラムになっていまして、大学ならではの症例に加えて、外の病院に行って地域医療やコモンな疾患等、どちらも学ぶことが出来ます。すごく勉強になったので、今考えても選んで後悔はなかったですね。

専門研修で整形を選んだ理由をお聞かせください。

元々小・中・高・大学までずっと野球をやっていました。最初はいつまでも野球に携わるような仕事をしたいと思っていて、学生の時は整形外科医に興味がありました。その思いの中で初期研修が始まり、整形を漠然と考えながらも他の科を研修している中で、もうひとつ興味を持ったのが救急医療の現場です。 どちらにするか迷ったんですけど、やっぱり直接自分で手術をして治してあげたいという思いから整形外科になろうと決めました。元々宮崎に残って医療をしたい気持ちがあったので、この宮崎大学で専門研修をさせて頂いているといった次第です。

将来的にはスポーツ整形外科を考えられているのですか。

そうですね。スポーツ整形もやりたいですし、いまだに救急医療にもちょっと興味があります(笑)。「スポーツドクターにも興味があるし」、「外傷も診てみたい」と言うような感じで悩んでいるんですけど、整形外科というのは選択肢の多い科でもあるので、しっかり研修を行う中で自分のやりたいことを見つけられたらいいなと考えています。 どちらも学べるのが宮崎大学であり、宮崎県の地域の特性でもあると思います。やっぱり宮崎であればどちらも目指せるので。

専門研修先として宮崎大学医学附属病院を選んだ一番の決め手を教えてください。

先程の話と被りますが、研修の中でスポーツに関わる事が出来る事ですね。宮崎県はプロ野球のキャンプ地でもありますし、毎年少年野球検診もやっています。大学の野球部時代にもお手伝いをさせて頂きましたが、そういったスポーツがかなり身近にある中で、スポーツはもちろん、一般整形もしっかり手術もされている事を研修医の時に回って感じていたので、そういう両立して色々なことがやれるところも一つの魅力なのかなと感じました。

実際に宮崎大学医学部附属病院の研修はいかがですか。

毎日刺激になることも多いですし、勉強になる事が多いというのが本当に率直な感想です。元々、整形外科って骨折などの外傷がメインだと自分の頭の中にはあったのですが、思っていた以上に腫瘍といった緩和的な側面の治療等、かなり幅広い分野を診ないといけないというのを入局してから改めて感じています。そういった中で上級医の先生方には凄く丁寧に教えて頂いていて、その上級医の先生方も普段から常にいい方法が無いか文献を探されていたりするので、そういった姿を見ると、本当に自分は知識も無いのはもちろんの事、まだまだそういう姿勢も足りてないなと改めて思います。

日々の中でやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。

大学病院なので、中々僕らが執刀できる症例っていうのは多くはないんですけど、数少ない症例の中でも執刀させて頂いて、患者さんが元気になった姿を見る事はやりがいを感じるというか、整形外科医を目指してよかったなって感じる一面ではありますね。

一番今勉強になっていることはどんなことですか。

研修医時代から、外来で上の先生に陪席して頂いたりしていましたが、研修医時代と専攻医になった今では、自分が診断・診療しなきゃいけないという立場に変わったので、見えてくることが全然違うんですよね。先生によって患者さんに対する接し方のテクニックだったり、声掛けの感じだったりすごく工夫されていらっしゃるので、そこはかなり勉強させて頂いています。

逆に今、難しく感じていることや苦労していることはどういったところでしょうか。

上級医の先生が学会発表や、積極的に講習会などに参加されている姿を見て、自分は知識がない中、補うだけでも精一杯な毎日を送っている感じなんですけど、そういった中で苦しいなと感じることはありますね。焦りというか。離されていく感覚というか、「ただでさえ実力がないのに」ってそういうのはやっぱりありますね・・・。 まだ入局1年目ですし、今年はコロナウイルスの影響でなかなか学会等が無くて、機会は狭められているんですけど、出来るだけ自分がそういう機会を与えてもらえそうな時とか、症例に当たらせて頂いた時とかは、なるべく積極的に参加したいなとは思っています。

研修されている中で一番印象に残っている事はどんなことでしょうか。

末期の骨腫瘍の患者さんを診させて頂くことがありました。結局、結論から言うとお看取りさせて頂いたのですが、まさか整形外科になって終末期の緩和的な側面の治療を行うとは入局前には正直考えていなかったので、ご家族に対する声掛け一つだったり、そういった事を改めて毎日考えさせられる事がありました。それはかなり印象に残っている一例ではあります。

そういった時、患者さんやご家族に声をかけるときに一番気をつけている事はどんな事ですか。

患者さん自身が今何を考えていて、将来に対してどのようなビジョンを持っているのか、残りの時間をどう過ごしたいのかっていう想いに対して、患者さんにできる事の熱量の差が出ないように意識しています。 一つ一つ患者さんのモチベーションを上げる為に声掛けする時もありましたし、しっかり事実を伝え、状況整理させる為にもあえて厳しく言う事もあります。そういった事で言い方を工夫したり、言うタイミングについて上級医の先生と相談しながらやっていきました。

指導医の先生の指導はいかがですか。

外来での陪席もそうですし、それ以外の時間帯も、本当に丁寧に接していただいていると思います。自分で考える時間を与えてもらって、ただそれで投げっぱなしじゃなくて最後はしっかりフォローして頂いています。上級医の先生には本当に丁寧にご指導を頂いていて毎日有意義な時間を送れています。

カンファレンスについてお聞かせください。

宮崎大学の整形外科は、上肢、下肢、脊椎と3グループあります。グループごとのカンファレンスが週1回、整形外科全体でのカンファレンスが週1回、計2回を毎週行っています。 各グループのカンファは週の前半にあり、来週の症例の診療方針について各グループで検討し、週の後半にある全体のカンファレンスの際にみんなで情報の共有をする形になっています。 僕ら専攻医が発表する機会は、カンファレンスの際に各グループで決まった手術の方針や、治療方針などを発表します。全体カンファレンスでは教授の方から直々に、それぞれの症例のポイントや、覚えておくべきことを質問形式で飛んでくることが多いので、それに答えられるようにカンファレンスの準備をしています。

専門研修病院を選ぶポイントを今の初期研修医に向けて教えて下さい。

出来るのであれば、その現場・その科の見学に行って長く滞在し、しっかりと雰囲気を知ることが大事だと思います。どこで研修するかというのは悩まれる方が多いと思うのですが、悩む中で最後の決め手になってくるのが、自分が実際に勤務する時にどういうことを出来るかを想像することだと思います。 1日だけの見学だと、お客様として扱われて雰囲気などが掴みづらいところがあると思うので、できるだけ長い時間その科に触れるということが1つのポイントになるかなと思います。

宮崎大学医学部附属病院のPRをお願いします。

本当に患者さん自身もそうですし、上級医の先生、周りの先生方、本当に人が良い方が多いです。宮崎県自体も食事とか、土地柄もすごくいいところです。僕は神奈川出身なんですけど、学生時代から宮崎での生活を楽しく過ごさせて頂いて、そのまま残って働かせて頂いています。 皆さんも宮崎の楽しさや魅力に触れて頂けたら分かっていただけるんじゃないかなと思うので、是非見学しに来てくださったら嬉しいです。

せっかくなので、もう少し宮崎県の魅力(おいしさ・楽しさ)もお聞かせください!

本当に肉、魚、全部美味しいです。僕、宮崎に来るまで刺し身嫌いだったんですけど、宮崎に来てから刺し身が大好きになりました(笑)。宮崎県と言うと、宮崎牛などのお肉が有名ではあるんですけど、海鮮の方も味わってほしいです!あとお酒もですね。1回旅行でもいいから宮崎に来て、宮崎を味わってほしいですね。本当に素敵な場所です!

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