初期研修インタビュー

2023-09-29

荒尾市立有明医療センター(熊本県) 初期研修医 西村 愛里沙(ありさ)先生 (2023年)

荒尾市立有明医療センター(熊本県)の初期研修医、西村 愛里沙(ありさ)先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2023年に収録したものです。

荒尾市立有明医療センター

〒864-0041
熊本県荒尾市荒尾2600
TEL:0968-63-1115
FAX:0968-63-1189
病院URL:https://www.hospital.arao.kumamoto.jp/

西村先生の近影

名前西村 愛里沙(ありさ) 研修医
出身地・出身大学 / 医師免許取得年度 熊本県玉名市・金沢医科大学 / 2022年

医師を目指したきっかけをお聞かせください。

 小さい頃から医師は人の生命を救う格好良い職業であり、遣り甲斐がありそうだと思っていました。また自分の力で生きていくためにも、資格のある職業に就きたいと考え、医師を目指しました。

学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。

 大学の卒業試験に合格するために一生懸命、勉強したことが印象に残っています。進級するのも大変でしたが、特に卒業試験前は精神的にも追い込まれていましたね。国家試験の方が余裕を持って受けることができました。

大学卒業後、研修先を荒尾市立有明医療センターに決めた理由をお聞かせください。

 地元が好きなので、大学卒業後は熊本県内の病院で働きたいと考えていました。荒尾市民病院(現 荒尾市立有明医療センター)は地域の中核病院で、コモンディジーズを多く扱っているところが魅力的でした。

見学に来たときの印象はいかがでしたか。

 私は一回も見学していないんです。申し込みは一応したのですが、コロナ禍であり、運悪く院内にクラスターが発生したので、見学できなくなりました。地元に近く、小さい頃から知っていて、お見舞いなどで頻繁に伺っていた病院ではありましたが、実際に働く環境などは分からないまま入職しました。

荒尾市立有明医療センターでの初期研修はイメージ通りですか。

 見学していないので、イメージが湧かないまま入職したのですが、先生方やコメディカルスタッフの方々、同期がとても優しくて、環境に恵まれているという意味ではイメージ以上でした。

プログラムの特徴はどんな点でしょうか。

 自分の回りたい診療科を選択できるという点が特徴でしょうか。私は色々な診療科をまんべんなく回りたいと考えているので、4、5月は救急科、6、7月は外科、8、9月は神経内科を回っています。このあとは循環器内科、消化器内科などの内科系を中心に回る予定です。Ï

プログラムの自由度は高いですか。

 高いです。2年目はかなり自由に選択できます。

院外での研修はありますか。

 精神科は荒尾こころの郷病院か有働病院、小児科はくまもと県北病院か熊本大学病院、地域医療は阿蘇医療センター、小国公立病院、上天草総合病院などから選べます。また救急科の研修を日本医科大学付属病院でも行えるのですが、これも当院での初期診療の大きな魅力となっています。私は地域医療研修ではできるだけ遠くの病院、かつ多くの初期診療医がいる病院に行き、人脈を作ってきたいと思っています。

荒尾市立有明医療センターでの初期研修で勉強になっていることはどんなことでしょう。

 当院は地域の中核病院で、数多くの症例を経験できますし、点滴や処方のオーダーを任されることも多く、責任のある仕事だなと実感しています。手技をさせていただく機会も豊富で、経験していくうちに上達していくので、積極的に取り組むことが大切なのだと思っています。

失敗談はありますか。

色々とあります(笑)。日当直に入っているときに3人同時に救急搬送されてきたことがあり、診察や検査や処置を行うべき優先順位が分からず、手が回らなくなったことがありました。そのときは上級医の先生に助けを求めましたが、優しく対応くださり、有り難かったです。

初期研修にあたって、どのような姿勢を心がけていますか。

 毎回の診察などで、指導医の先生に教えていただいたことは全て吸収するつもりでいます。そして自分なりにアセスメントしたことをカルテに必ず書き、上の先生方に相談するときもアセスメントを述べてからアドバイスをいただくようにしています。

当直の体制をお聞かせください。

 17時15分から22時までの準夜勤が月に2、3回、8時30分から19時までの日当直が月に1回あり、病院に泊まる当直はありません。準夜勤は上級医1人と初期研修医1人の2人体制、日当直は内科系上級医1人、外科系上級医1人、初期研修医1人の3人体制で、初期研修医は内科系、外科系のどちらの患者さんも診ることになっています。

当直で勉強になっていることはどのようなことですか。

 重症度や緊急度を判断して、それに対する処置を行いながら病態把握や鑑別診断を同時に行うことです。また入院させるべきか、帰宅できそうかの判断も難しいのですが、この経験が3年目以降に一人で当直するときに活きてくるのかなと思っています。

指導医の先生のご指導はいかがでしょうか。

 皆さん、とても優しく、一つ質問したら十返ってきます。診察や手技などをさせていただいたときは必ずフィードバックをくださり、改善点や反省点などを教えていただいています。

西村先生写真

カンファレンスの雰囲気はいかがですか。

 毎朝8時30分から医師全員参加でのカンファレンスがあり、当直時にあったことの報告、HCUの患者さんの報告などを行っています。カンファレンスでは画像を見て、病変の位置や症例に対するアプローチ、治療の仕方などの様々な意見が活発に交わされています。発表は初期研修医が行い、質問されることも多いので、私は1時間前に出勤し、その日の朝の患者さんの病態を把握してから発表に臨むようにしています。それだけ準備をしても、発表はとても緊張します(笑)。先生方の質問が鋭いので、「そこまでは考えていなかったなあ」と思うこともありますが、とても勉強になっています。

コメディカルスタッフの方々とのコミュニケーションはいかがですか。

 コメディカルスタッフの皆さんもとても優しいので、分からないことがあっても相談しやすいです。

病院に改善を望みたいことはありますか。

今の建物は築後何十年と経っているような古い建物なのですが、10月に新病院に移りますので、今は改善してほしいことはありません(笑)。新病院は今の病院の横に建っています。先日、見学に行ったのですが、院内がとても広く、手術室も驚くほど綺麗にできあがっていました。

同期は何人ですか。

私を含めて6人で、男性4人、女性2人です。出身大学はばらばらですが、荒尾市近辺に実家があったり、地元である人が多いです。

研修医同士のコミュニケーションは活発ですか。

 活発です。今は研修医室があるのですが、新病院に移ってからはなくなるので、研修医室での残りわずかな日々を楽しんでいます(笑)。先日の休みの日には同期6人で福岡の糸島にグランピングに行ってきました。

お住まいは寮ですか。

 寮はなく、病院の近くに賃貸住宅を借りている人がほとんどです。私は実家から車で30分ほどかけて通勤しています。賃貸住宅を借りる場合は家賃が50000円以下だと病院が8割負担、50000円以上だと病院が50000円の負担となっています。

今後のご予定をお聞かせください。

今のところ、産婦人科を専攻したいと思っています。大学時代に色々な診療科でポリクリをした中で、婦人科疾患の腹腔鏡手術に興味を持ったことがきっかけで、産婦人科を志望するようになりました。初期研修後は熊本大学病院産婦人科の専門研修プログラムを専攻し、大学病院で経験を積んだあとに当院に戻ってきて、産婦人科医として働けたらと考えています。

ご趣味など、プライベートの過ごし方について教えてください。

今年の春に金沢から熊本に帰ってきました。6年間、熊本を離れていましたので、以前訪れたことのある場所に観光に行くことが楽しいです(笑)。ドライブを兼ねて、熊本城や天草などを訪れているのですが、天草は新しい観光施設が増えているんですよ。海が綺麗に見えるカフェができていたり、色々な発見があります。

現在の臨床研修制度についてのご意見をお願いします。

 1カ月だけ回る診療科もあるのですが、その科に慣れるまで1カ月以上かかりますので、一つの科をもう少し長い期間、回れるような制度であればと思います。

最後に、これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

当院は処置、手技、診察などを初期研修医に任せていただける機会が多く、指導も手厚いので、多くの臨床経験を積むことができます。この経験はこの先の医師人生できっと役に立つはずです。興味のある方は是非、見学にいらしてください。

外観写真

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