全国で活躍する女性医師

2020-08-31

前橋⾚⼗字病院

全国の赤十字病院の中から、群馬県の前橋⾚⼗字病院にお伺いしました。研修のプログラム、1日のスケジュールなど、現場の声が聞けるインタビューです。

  • 井上 めぐみ先生

    清水 真理子先生プロフィール

    2001年
    群馬大学医学部卒業
    2001年
    前橋赤十字病院 初期臨床研修医(0期生)

    まだ群馬はストレート研修のみでした。前橋赤十字病院に電話で交渉したらOK を頂き、履歴書に1年に周る科の希望順序まで書いて提出しました。
    たくさんの先生にお世話になりました。

    2003年
    前橋赤十字病院 後期臨床研修医(1期生)
    2005年
    日赤医療センター NICU 新生児科研修
    2006年
    前橋赤十字病院 勤務
    2008年
    第一子出産
    2012年
    第二子出産

    資格

    • 日本小児科学会専門医・指導医
    • 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)認定
    • PALS インストラクター
    • BLS インストラクター
    • 臨床研修指導医 など
  • 王 黎亜先生

    大沢 郁先生プロフィール

    2012年
    群馬大学医学部卒業
    2012年
    前橋赤十字病院 初期臨床研修医
    2014年
    群馬大学大学院 総合外科学講座入局

    大学病院にて外科ローテートをしました

    2015年
    館林厚生病院 外科勤務
    2016年
    前橋赤十字病院 呼吸器外科勤務
    2018年
    外科専門医取得
    2019年
    産休・育休取得
    2020年
    復職

    資格

    • 日本外科学会外科専門医
    • 臨床研修指導医 など

Contents 目次

医師を目指したきっかけ医師を目指したきっかけを
教えて下さい

清水

小学生の頃は学校の先生になりたかったのですが、高校生になって医師になりたいと思うようになりました。大きなきっかけはありません(笑)。地方育ちなので、色々な職業のイメージがつきにくかったんです。
大学では試験対策委員長、飲み会幹事、ソフトテニス部キャプテンを務め、友人と楽しく愉快に過ごしていました。
 

大沢

小さい頃から動物が好きで、小中学生の頃までは獣医さんに憧れていましたが、小児喘息などのアレルギーがあり、獣医さんになれるのか不安もあったんです。でも、もともと人の話を聞くこと、人に話をすることが好きで、人と関わる仕事がしたいという気持ちが大きかったこともあって、動物ではなく、「人間のお医者さん」もいいかなと思いました。
医学部は職業ありきの受験になります。医師になるには医学部を受験するしかないので、高校での進路相談で初めて「医学部を受けます」と言いました。

前橋赤十字病院を選んだのはどうして初期研修で前橋赤十字病院を
選んだのはどうしてですか?

清水

今の臨床研修制度は私の学年の3年後から始まりました。私が学生の頃にも何年かしたら必修になるという話は聞いていたのですが、私もスーパーローテートで色々な科を回れば役に立つだろうと思っていました。
都内の病院だと当時でもスーパーローテートの研修ができるところはありましたが、群馬県にはなかったんです。そこで前橋赤十字病院に電話してみました。父がかつて勤務していたことがあったので、何となく馴染みがあった病院なんです。そうしたら、「じゃ、いいよ」みたいな感じで引き受けてくださいました。周囲にはびっくりされたし、同級生からは「大丈夫か」と言われましたね(笑)。ただ、ストレートで入局した人たちが2年目の研修先として前橋赤十字病院にいたので、私としては2年目の先生たちのような研修ができればという気持ちでした。
 

大沢

私は群馬県出身ではないので、出身地に戻るという選択肢もありましたが、大学の先輩方が何人も当院で研修していたので、見学に行ったり、話を聞いていました。私のときには既にスーパーローテートの研修が行われていましたが、自由度が高いプログラムの臨床研修病院が増え始めた頃だったんです。その中で、日赤にはほとんどの科を回る研修をすること、救急が活発で忙しい病院だというイメージがありました。
私は学生の頃から外科に行くと決めていたので、決めていたからこそ、今後は診る機会のない科をスーパーローテートで診ておきたいと思い、当院を選びました。
 

清水

小児科後期研修

小児科後期研修

私は当院のスーパーローテート0期生ですが、とても良い研修をさせていただきました。一つの物語ができそうなぐらい語れますよ(笑)。色々な先生方にお世話になり、色々な患者さんにお会いし、色々な経験をさせていただきました。
私を受け入れるにあたり、指導医の先生方が会議をしてくださり、最初に回るのは麻酔科と決められました。ここでショックバイタルなどを身につけながら、手術室での看護師研修もしました。看護師さんが日々いかに医師に酷い目に遭わされているのかを学びましたね(笑)。内科では学会発表もしましたし、外科ではとにかく手術が多くて充実していました。1年目ではもう一度、麻酔科を回り、小児科にも行きました。そのほかは内科・神経内科、消化器外科・乳腺甲状腺外科、ICU・救急、消化器、産婦、循環器、呼吸器、形成でした。
2年目はある科を回っている間に次の科を決めるという状態で、消化器内科、産婦人科、循環器科、形成外科、呼吸器科を回りました。現在の夫は当時は彼氏でしたが、7月に別れ、11月に戻ったのも思い出です(笑)。
 

大沢

私もスーパーローテートをして良かったですね。進路を決めていない人がスーパーローテートをするとかえって迷ってしまうという話も聞きますが、逆に私は進路をある程度、決めたうえでスーパーローテートをさせてもらったので、やっぱり外科に行こうと決めることができました。
外科全般のほか、内科、麻酔科、脳神経外科などを診ることで、ほかの科の先生方との関わりなど、今でも役立つことがあるし、他科を全く診ていないよりは自分の糧になることがあったと思っています。

専門を選ばれたきっかけ専門を選ばれたきっかけに
ついて、お話しください

清水

小児科に決めたのは研修2年目の終わりです。何しろ0期生ですので、研修が終わる頃に当時の院長先生から「何科の医師になりたいかね」と聞かれ、ある程度は考えていたので、そこで小児科だと答えました。1年目に小児科を回ったときに、ここだと思ってはいたものの、いつまでに決めろとも言われていなかったし、当時の部長の先生にも「2年目は小児科にいます」と言ったのですが、部長の先生からも「ほかの科も回った方がいいよ」と言われたこともあって、2年目もスーパーローテートをしたんです。結果として、良い2年間でした。
 

大沢

外科だというのは大学に入学してすぐに考えていました。人と関わることが好きだということに加えて、手を動かすことも好きだったんです。手技をしている医師の姿がかっこいいというのもあって、臨床実習のときも外科系がいいなと思っていました。
 

清水

私は後期研修も前橋赤十字病院の一人目なんです。そのまま小児科で研修させてもらうことになり、プログラムらしいものも慌てて作っていただきました(笑)。後期研修2年目に結婚しました。
 

大沢

私のときは後期研修医として、そのまま当院に残るという選択肢もありましたが、一つ上の学年に呼吸器外科の後期研修医がいたんです。そのあとに続くのも良かったのですが、症例が分散することもありえますし、ほかの病院も見てみたいという気持ちもありました。
私は初期研修2年目の終わりに結婚し、群馬県に残るという見通しになったので、医局との関わりも必要かなと思い、入局という形を選びました。
 

清水

後期研修1年目は大学にいたんですよね。
 

大沢

そうです。大学病院のローテーターとして、外科の各科を回りました。後期研修2年目は一般外科医として、館林厚生病院に行き、主に消化器外科を診ていました。その次の年から呼吸器外科に進みたいという希望を出していたので、館林厚生病院の外科の部長が気を遣ってくださり、館林厚生病院の呼吸器外科にも2カ月ほど所属し、症例を積みながら研修させていただきました。そして、後期研修3年目で前橋赤十字病院に戻ってきました。
 

医師として、影響や刺激を受けた人はいますか

日赤医療センターNICUにて新生児研修

日赤医療センターNICUにて新生児研修

清水

私は初期も後期も1期生なので、同じような立場の人がいなかった分、色々な科の色々な先生にお世話になりました。どの先生からも教えられました。
後期研修3年目で初めてママ小児科医と一緒に働いたんです。坂元先生という方で、刺激を受けましたね。
また、日本赤十字社医療センターのNICUで新生児研修を受け、厳格な川上部長、指導医の与田先生、中島やよひ先生にもお世話になりました。
 

大沢

医師になって以来、一番長く勤めたのが当院ですし、初期研修医の頃から呼吸器外科に行きたいと話していたこともあって、初期研修で呼吸器外科を回った期間は2カ月弱ですが、そこから始まり、現在の部長や指導医には呼吸器外科医として、外科医としての姿勢や取り組み方を教わってきました。それが自分の基礎になっていると思います。
 

呼吸器外科に決めたのはいつですか

大沢

外科に決めたのは早かったですが、大学での臨床実習で呼吸器外科を初めて回ったときに面白くて、呼吸器外科医になりたいと思いました。
呼吸器外科の知名度はそんなに高くないし、どの病院にもあるわけではありません。私は外科を志望していましたが、呼吸器は知らない分野でした。胸腔鏡の歴史は浅く、発展途中の分野です。心臓血管外科ほどではないにせよ、肺動脈、大動脈といった大血管を扱う手術だったり、生命にとって重要な器官を扱うということが魅力でした。

キャリアについてキャリアについて

前橋赤十字病院での勤務内容をお聞かせください

清水

月、水、金は半日ずつ外来を担当しています。そのほか、具合の悪い赤ちゃんや紹介患者さんの診察、NICUでの業務、救急に来た患者さんの診察をして、入院を診たり、健診などですね。いわゆる二次救急病院の一般小児科医としての仕事をしています。
 

手術の様子

大沢

私は勤務体系としては育児短時間勤務制度を利用したものになっています。1時間の時短にしていただいていて、16時30分に退勤します。
メインの仕事は手術ですね。当院では術後に再発したがんの患者さんの化学療法は呼吸器外科が担当しているので、そういう患者さんも診ています。外来では化学療法、若年の患者さんの気胸の術後を診ることが中心です。
私は外来よりは手術業務や病棟業務の方が多いです。曜日ごとにタイムスケジュールが異なり、手術は週3日ですが、午前だけ、午後だけ、1日という日があります。また、飛び込みで外傷や救急患者さんがいらしたら、追加手術が入ることもあります。

清水先生の
1日のスケジュール

  • 清水先生 午前のスケジュール
  • 清水先生 午後のスケジュール

大沢先生の
1日のスケジュール

  • 大沢先生 午前のスケジュール
  • 大沢先生 午後のスケジュール

前橋赤十字病院での勤務内容をお聞かせください

清水

1人目を出産したあとにBLSのインストラクター資格を取りました。インストラクター資格は当時の院長先生に「取れ」と言われて、「はい」と返事して取りました。出産した直後だったのに、研修先が東京都内ばかりで大変でしたが、何とか頑張りました。
現在はインストラクターの仕事としては年に3回ほど、週末を使ってPALSに参加しています。そのほか、学会で発表したり、論文を書いたりもしていますが、大声で自慢するほどではないです(笑)
 

大沢

産休と言えば、私は産休直前に臨床研修指導医を日本赤十字社の本社で取得させていただきました。そして、そのまま産休に入りました(笑)。臨床研修指導医を取得できるタイミングは年に数回しかないので、たまたまそうなりました。
 

清水

私も臨床研修指導医を取りました。それから小児科専門医も持っています。
 

学会発表

大沢

私も当院にいるときに外科専門医の資格を取りました。産休や育休を挟んだことで症例が足りないので、呼吸器外科の専門医取得はこれからです。
当院の今の呼吸器外科部長をはじめ、上級医の先生方は学術活動にかなり積極的で、論文を出したり、学会発表に熱心に取り組まれています。私も初期研修医の頃から学会発表をしてきて、論文も少し出しました。国内で開催された国際学会で発表したこともあります。
そのほか、当院で学ばせていただいたこととしては外科医なので、やはり手術ですね。まだ勉強途上ですが、術者としての基本的な技術から教わっています。
 

これまでの勤務で印象に残っていることはどんなことですか

忘れられない患者さん

清水

これまで色々な経験をして、皆さんから学ばせていただいています。忘れられない患者さんとしては卒後13年目から14年目にかけて、脳幹腫瘍の子どもを受け持ったことです。
脳神経外科に入院していた子どもで、生存期間中央値が7カ月から11カ月、2年生存率が10%未満と、明らかに予後不良の重症疾患でした。当時の私は育短勤務でしたので、私でいいのか、いや私だからこそ受け持てるのかという葛藤がありましたね。そこから血管新生阻害薬を開始し、訪問看護ステーションや在宅緩和ケア診療所と連携もしました。入院中のご本人とお母さんが落ち込みがちだったところへ、外出許可を出して上映中の「アナと雪の女王」鑑賞をすすめたところ、当時幼稚園児のご本人がはまり、以後薬の治療中はその映画のビデオをみながら行ったり、ディズニーランドへ行きたいという希望をなんとか安全にかなえたいとプライマリ看護師や師長さんとあちこち動いたり。残念ながら患者さんは約1年で亡くなられてしまいましたが、ご家族との交流はプライマリ看護師とともに今も続いています。
 

大沢

肺がんの術後の再発で、再発部位の手術から関わらせていただいた患者さんが印象に残っています。
手術後の化学療法を担当していたのですが、なかなかコントロールが効かず、結局はお亡くなりになりました。手術から化学療法、緩和治療、お看取りまで経験させていただきましたが、ご家族が熱心で、ご主人をはじめ、お子さんやお孫さんまで皆さんが意見をお持ちでした。そのため、時間をかけて治療方針を決めていき、最後をどのように迎えていただくかをご家族の皆さんと話し合いました。
大変な経験でしたが、がんを診る科にいる限り、こういったことは切り離せないことですので、自分の糧になった臨床経験でした。

育児短時間勤務制度前橋赤十字病院の
育児短時間勤務制度

お二人ともに前橋赤十字病院に勤務されるようになってから出産なさったそうですね

清水

後期研修3年目の最後に妊娠したのですが、初期流産となってしまいました。次の年は気を取り直して海外旅行をしたり、川崎病研究会で勉強したりして、卒後7年目で妊娠したんです。専門医試験を受けられそうなタイミングだったので、一次試験の提出書類は出しておいたんです。お産が予定よりも早くなれば二次試験に行けないこともないかなと思って…。
 

大沢

すごいですね(笑)。
 

清水

出産自体は幸い問題なかったのですが、予定日から遅れたので、試験が2週間先にという日程になってしまい、泣く泣く諦め、次の年に取りました。次の年は育休からの復帰の直後でしたし、子どもの夜泣きがすごくて、子どもをおんぶしながら勉強したのが大変でした。二宮金次郎のようでした(笑)。
 

大沢

育児休暇はどのぐらい取られたのですか。
 

清水

11カ月です。私が復帰するタイミングで日赤の育児短時間勤務制度が始まったんです。子どもがもうすぐ1歳になるところでしたので、育短利用者としても第1号で復帰させていただきました。育短制度を知ったときは驚きましたね。こんなのがあるんだなと思いました。助かりました。
 

育児短時間勤務制度

大沢先生は第何号なんでしょうね

大沢

女性医師がかなりいますし、分からないですね。当院に勤務されているときに出産された先生方も多いです。育短制度は医師だけでなく、看護師さんや全ての職員が対象なので、皆さんが利用していると思います。

女性医師の会女性医師の会のようなものは
ありますか?

  • 大沢

    以前は1年に1回、ありましたよね。
     

    清水

    「肉食系女医の会」というのがありました(笑)。心臓血管内科の庭前野菊先生が隊長で、皆で集まっていましたね。
     

    大沢

    意見交換という名目の飲み会でした。去年はインフルエンザの院内流行があったので中止になり、今年も新型コロナウイルスのために無理でしょうね。
     

    清水

    20人ぐらいで集まって、楽しい話をしていました。
     

    大沢

    初期研修医も来ていましたね。
     

    清水

    野菊先生が初期研修医に「肉食系なんてと思っているかもしれないけれど、10年経ったら、皆が肉食系になるんだからね」とおっしゃっていたのが初期研修医には勉強になったと思いますね(笑)。
     

    大沢

    それ、私も聞いていました(笑)。
     

    清水

    野菊先生は本当に面白い方です。

  • 女性医師の会

前橋赤十字病院の福利厚生前橋赤十字病院の
福利厚生はいかがですか?

集合写真

清水

女性医師が増えたこともあり、この15年ぐらいで大きく変わったと思います。
以前のように死にそうになっている医師が少なくなりました(笑)。働き方についても変わってきましたね。私は初期研修のときから当院にいるので、上の先生方にお世話になってきていて、今もお話ししやすいんです。
当院は科を超えた相談や連携でも嫌な顔をされないですし、どの科とどの科が険悪だということもありません。福利厚生という以上にそういった面が働きやすさに繋がっている気がします。
 

大沢

それは清水先生たちが作ってくださった流れですよね。医師の場合は科によって、働き方、医師の人数、メインが外来なのか、手術なのかなどが違います。ただ清水先生がおっしゃったように、今の世の中でこれだけ働き方改革と言われているわけだから、病院側の意識や医師の働き方は変わってきていると思います。
私は育休から復帰して3カ月ですが、呼吸器外科では出産前から部長にしろ、指導医にしろ、とても気を遣ってくださいました。それは決して腫れ物に触るようなことではなく、どうやったら働いていけるかということをかなり相談してくださっていたようです。それに対してはお世話になったという意識を強く持っています。そこをチャンスにして、自分のキャリアを積んでいきたいということを考えている段階です。今はまだ実現できていないですが。
 

清水

日赤の福利厚生で言えば、院内保育所ですよね。
 

院内保育所

大沢

私は利用していないのですが、院内保育所の存在は職員の働きやすさに繋がると思います。今後、私がお世話になりそうなのが病児保育施設です。院内で病児保育ができるので、医師だけでなく、看護師さんや職員さんも助かりますね。そういったハード面に助けられることが大きいです。
 

大沢先生は2019年11月に出産されて、2020年5月に復帰とのことですが、復帰のタイミングはどうやって決められたのですか

大沢

私は医局人事で当院に来ているので、今度どういう人事になるか見通しが立たないこともあり、当院の院内保育所ではなく、認可保育所に入れることにしました。地域差があるようですが、前橋市の場合は3、4歳では認可保育所に入りにくく、0歳児の方が預けやすいようです。それで出産前からいわゆる保活をして、4月入所にしました。そして1カ月の慣らし保育を経て、ゴールデンウィーク明けに職場復帰と決めたのですが、コロナの影響で慣らし保育があまりできず、仕事復帰と同時に預ける形になりました。
 

清水

私は院内保育所を使わせていただきましたが、院内保育所は3歳未満(現在は4歳)が対象なので、途中から市立の保育所に移りました。病院の移転のときは小児科医として病児保育のあり方に関わりました。部屋の分け方やどのような備品を揃えるかなどですね。
私は病児保育を利用したことはありませんが、病児保育があるのとないのとでは気持ち的に違うと思うので、医師だけでなく、職員全体に利益になればと思います。軌道に乗るまでは看る人を誰にするかという問題は大変で、夕方は人が少ないからか、看護部長さんが看ていたりしました(笑)。
 

お休みは取りやすいですか

清水

取りやすいですよ。
 

大沢

私の子どもも幸い元気に保育所に通ってくれています。一度熱を出したことがあり、1日お休みをいただいたことはありました。復帰前に群馬県医師会の保育サポーターバンクに登録したので、そのときはそれを利用し、一般のご家庭のサポーターさんに半日ほど預かってもらい、夫にも休んでもらって対応しました。
一般的な市中病院ですと、呼吸器外科医は1 人だけ、多くて3人ぐらいだったりしますが、当院には5人もいて、人数的な余裕があるので、お休みをいただきやすい面があります。医師が少ない科は休みにくいかもしれませんね。病院ごとに実情が違いますが、今は人数的なメリットを活用させていただきながら仕事をしています。

家庭との両立・プライベート家庭との
両立・プライベート

ご家庭との両立をどのようになさっていますか

清水先生の家族写真

清水

小学6年生と2年生の女の子2人がいます。手がかからなくなってきたと言いたいところですが、今年はコロナで休校期間が長かったので大変でした。私は勤務なので、2人で自宅で過ごしていたんです。お昼どきになったら1キロほど歩いて、祖父母の家で昼食を食べて、それからまた歩いて自宅に戻るという生活でしたが、それに慣れてしまったので、今はまだギャップがあるようです。次女は学童に行く日と祖父母の家に行く日があり、医師会のサポーターさんにお世話になることもあります。退勤時には長女の習い事の迎えに行ったあとで次女を迎えに行きます。次女は2年生の謎のこだわりで、5時台に起きないと機嫌が悪いんです(笑)。それで夕方に眠くなって寝てしまい、夜に寝られないという日もあったりします。でも2人いると、楽しいです。
 

大沢先生の家族写真

大沢

今は、16時半に退勤しますが、9月からは常勤に復帰予定です。今後は直接、迎えに行きます。自宅近くの保育所なので、病院からは少し距離があります。幸い、今は夫が早く帰ってきてくれるので、かなり助かっています。
夫は整形外科医ですが、早く帰宅する時は入浴などをお願いしています。私も働いているので、夫の協力は当然ですよね(笑)。
 

清水

私の夫も整形外科医です。去年の冬はスキー大会の帯同でイタリアに3週間ぐらい行っていましたし、サッカーチームのスポーツドクターでもあるので、不在のときが割と多いです。でも今はコロナの影響で色々と中止になっているので、家庭で過ごすことが多くなりました。2人いると、こんなに楽なのかと実感しています。
 

ご趣味などプライベートについてお聞かせください

清水

仕事でも子どもと過ごし、家にも子どもがいるので、仕事が趣味みたいな感じです。両方があるから楽しめるのかなと思っています。
 

大沢

今はまだ時間の使い方が確立できていなくて、日々の生活をこなすことで一杯です。清水先生がおっしゃった二宮金次郎ではないですが、私も専門医を取ったり、学術活動をやっていきたいという思いがあるのですが、それをどうやって実現するのか悩んでいます。
 

清水

皆、仕事が好きだし、患者さんがいての仕事なので、目一杯やってしまうんですよね。
やれることを目一杯やって、家でも目一杯やりがちなのは若くて健康だからできるのでしょうが、時間が足りなくて、ぎりぎりまで仕事して飛び出すような毎日になるので、少し余裕を残すぐらいがいいのかなと思います。少しぐらい調子を崩しても何とかなるぐらいの幅や糊代を作っておいた方がいいと、私を含めてもそう言いたいです。
 

大沢

今は子育てに時間を取られていて、ワーク・ライフ・バランスのライフの比重が大きくなっています。今度、どう両立させていくのか、諸先輩方にアドバイスをいただきながら、自分のキャリアを実現させていきたいです。
 

清水

科の中で助け合える体制があれば、急な用事があってもお互いがやりやすいですよね。小児科の後輩には子どもさんがいる女性医師が3人いますが、カバーし合えるようにということを普段から心がけています。
 

大沢

仕事の面で言えば、ルーティンワークはかなり助けていただいています。土曜日、日曜日はお休みをいただいているので、家族で過ごす時間を確保できています。今後はそれを維持しながら、自分の望むキャリアを作っていきたいです。
 

座右の銘などはありますか

大沢

これまで数え切れないぐらいの挫折や失敗、遠回りをしましたが、そのたびに「反省はするけど、後悔はしないようにしよう」と心がけてきました。今、起こっている問題や失敗、ぶち当たっている壁もきっと自分の糧になると信じて乗り越えています。失敗が多かったからこそ、そう思わないと時間が無駄になりそうです。たとえ人より時間がかかったとしても、自分にとって必要な時間だったのだと思えるように生きていこうと意識しています。
 

清水

仕事のうえでは臨機応変と言いますか、「みんな違ってみんないい」中で物事を安全に進めていくことに努めています。
最近のテーマは「幸せに働く」です。自分だけでなく、周囲の人が幸せに思えるような働き方をしていきたいですね。
 

医学生・若手女子医師にメッセージ医学生・若手女子医師に
メッセージ

病院アピール病院アピール

みんなにとってやさしい、頼りになる病院を目指して

概要

  • 前橋⾚⼗字病院 外観
  • 名称 前橋赤十字病院
    所在地 〒371-0811
    群馬県前橋市朝倉町389番地1
    電話番号 027-265-3333(代)
    開設年月 大正2年3月23日
    院長 中野 実
    休診日 土曜日、日曜日、国民の祝日、
    創立記念日(3月23日)、
    年末年始(12月29日 ~ 1月3日)
    病床数 555床
    (一般病床527床、第二種感染症病床6床、精神病床22床)

診療体制

診療科目

内科(総合内科)、リウマチ・腎臓内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、感染症内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、外科、乳腺・内分泌外科、心臓血管内科、心臓血管外科、小児科、産婦人科、整形外科、形成・美容外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線診断科、放射線治療科、麻酔科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、救急科、病理診断科、臨床検査科

施設認定

    • 保険医療機関
    • 国保療養取扱医療機関
    • 指定養育医療機関
    • 労災保険指定医療機関
    • 母体保護法指定医療機関
    • 生活保護法指定医療機関
    • 自立支援医療(更生医療、育成医療、精神通院医療)
    • 難病指定医療機関
    • 小児慢性特定疾患医療機関
    • 身体障害者福祉法指定病院
    • 原子爆弾被爆者指定医療機関
    • 原子爆弾被爆者一般疾病医療機関
    • 日本医療機能評価機構認定病院
    • ISO9001
    • 卒後臨床研修評価機構 認定施設
    • ISO15189
    • 基幹災害拠点病院
    • 高度救命救急センター
    • 群馬県ドクターヘリ基地病院
    • 群馬県高次脳機能障害支援拠点機関指定
    • エイズ診療拠点病院
    • 臓器提供施設
    • 群馬県地域周産期母子医療センター
    • 地域がん診療連携拠点病院
    • 地域医療支援病院
    • 第二種感染症指定医療機関
    • 臨床研修指定病院
    • 救急告示病院
    • 優良短期人間ドック施設
  • 脳神経センター(脳血管内治療センター、脳卒中センター)
  • 呼吸器病センター(気胸センター)
  • 消化器病センター
  • 心臓病センター(不整脈センター)
  • 失神センター
  • 周産期センター
  • 乳腺・甲状腺センター(乳房再建センター)
  • 外傷センター
  • 脊椎センター
  • 手外科センター
  • 口唇口蓋裂センター
  • 熱傷センター
  • 血液浄化療法センター
  • 手術センター(手術のための準備支援センター)
  • 膠原病リウマチセンター
  • 健康管理センター
  • 地域医療支援・連携センター

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