第4回「言葉遣い」(全8回)
ポイント
言葉遣いは心遣い!!
言葉は毎日、生涯に渡って使うものです。人間関係では言葉遣いによって、相手からの印象や関係性が大きく左右される事もあります。丁寧な言葉遣いであれば、相手を丁寧に扱っていることが伝わり、いい印象を与えることにも繋がります。丁寧な言葉遣いでは『敬語』を使うことになりますが、『敬語』は文字の通り、相手を敬っている気持ちを伝えるためには重要なものとなってきます。
病院見学や面接などでは、目上の方と接することになります。ここでは、言葉遣いのマナーについてご紹介します。
敬語
敬語は一般的に「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の3種類に分けられます。
・尊敬語:相手を立てて敬意を表す
・謙譲語:自分を下げることで相手に敬意を表す
・丁寧語:語尾に「です」「ます」をつけて丁寧さを表す
クッション言葉(ビジネス枕詞)
・クッション言葉とは
名前の通り、言葉の衝撃を和らげるクッションのような役割をしてくれる言葉です。本題に入る前に一言添えることで、言葉の印象を柔らかくする効果があります。
・尊敬語:相手を立てて敬意を表す
・謙譲語:自分を下げることで相手に敬意を表す
・丁寧語:語尾に「です」「ます」をつけて丁寧さを表す
・使うべきシーンと効果
具体的にどのような場面でクッション言葉を使うのかと言うと、「お願い」や「お断り」、「意見・反論」などをする場面で使います。
必要な時に必要なクッション言葉を使うことで、相手への「配慮」と「気遣い」が伝わりやすくなる効果があります。
またクッション言葉からスタートすることで自然に相手を尊重する柔らかな口調になり、言いにくいことを言いやすくもなります。
メールや文書では、特に意識をして使う事をオススメします。文面では、対面よりも言葉での誤解が生じやすく、「自分勝手」、「一方的」、「上から目線」といった印象を抱かれることも多々あります。文面でのクッション言葉は、そういった事を防ぎ、配慮も伝えることができます。信頼関係を築く上で、クッション言葉は非常に重要なものとなっています。
・注意点
クッション言葉はコミュニケーションを円滑にするのに有効なものですが、不要な場面で使ってしまうと相手に不快な思いをさせてしまうこともあるので注意が必要です。
例えば、どう見てものんびりくつろいでいる知人に対して、「お忙しいところ恐縮ですが…」と声をかけるとそれは嫌味になります。これは極端な例ですが、必要な場面でのみ使う様にしましょう。
また、クッション言葉を必要以上に多用すると、わざとらしさや薄っぺらい印象を与え、言葉の信用性が失われることもあるので、その点も注意が必要です。
同じクッション言葉ばかりを使うことも、同様の印象を与える可能性があります。バリエーションを持って必要な時に適切なクッション言葉が使えるようにしましょう。
・クッション言葉の使い方(シーン別)
ここではクッション言葉の使い方をシーン別にご紹介します。病院見学で使えるもの・不要なものとありますが、今後社会人として必要なものになるので抑えておくといいと思います。
依頼するとき・協力してほしいとき
「恐縮ですが/恐れ入りますが」
「ご面倒をおかけしますが/お手数をおかけいたしますが」
「ご迷惑とは存じますが」
「こちらの都合で恐れ入りますが」
「お忙しいところ恐れ入りますが」
例:ご面倒をおかけしますが、お願いできないでしょうか。
断るとき
「残念なのですが」
「申し訳ございませんが」
「心苦しいのですが」
例:申し訳ございませんが、その日は都合がつきません。
意見・反論をするとき
「僭越ながら」
「おっしゃることは重々承知しておりますが」
「余計なこととは存じますが」
「私の考えすぎかもしれませんが」
例:おっしゃることは重々承知しておりますが、今回はA案をご提案させていただけないでしょうか。
要望に応えられないとき
「せっかくお声をかけていただいたのですが」
「ぜひご期待にお答えしたかったのですが」
「身に余るお話、光栄なのですが」
「申し上げにくいのですが」
例:身に余るお話、光栄なのでが、今回は辞退させていただいてもよろしいでしょうか。
改善してほしい
「細かいことを言ってしまい恐縮ですが」
「こちらの都合ばかりで申し訳ございませんが」
「説明が足りず失礼いたしました」
「○○さんの立場に立っておらず恐縮ですが」
例:説明が足りず失礼いたしました。決定の理由を2つ以上あげていただけると助かります。
援助を申し出る
「もしよろしければ」
「私でよければ」
「差し支えなければ」
「お力になれるのであれば」
例:もしよろしければ○○までご案内させていただきます。
コンシェルジュへのご相談
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