【初めに】
そろそろ卒業試験が近づいてきました。6年生の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
学生最後の夏が終え、いよいよ秋。卒試が終われば、ついに国試です。ここからスパートだけど、効率的にやっていきたい。そんな風に考える方も多いのかと思います。
そこで、今回は迫る国試に向けて、どのような順序で対策をしていくのか、大まかな指針を紹介させていただこうと思います! 何かの役に立てば幸いです。
【内科学・小児科・産科の完成度は今、どれくらいですか?】
まず振り返って欲しいのは、この夏のうちに内科学や小児科・産科はどれくらいのクオリティで仕上げる事が出来たでしょうか。
比較的出題の多いこれらの領域は、完成度が高くないのであれば、可能な限りブラッシュアップしたほうが良いでしょう。
可能であれば、ブラッシュアップするならば時間にも限りがあるので、予備校のビデオ講義を1.5倍速などで速度を速めて復習していくなどの方法も良いかもしれません。
秋は予備校側も対直前期のビデオ講義の配信を始めます。これも併せてみていく必要性がありますから、いよいよ時間はありません。
また通常の速度で再生するよりも、高速再生の方が集中力を持って聞くことができます。人間の集中力は持って40分程度、それを90分聞いて聞き漏らすのであればいっそ高速再生してしまった方が効率も良いかもしれません。
僕の現役の時は、秋の試験対策では復習に時間を当てたかったので、ビデオ講義は常時2倍速で聞いていました。それでも意外と何を言っているかはちゃんと分かったので、皆様も一度試してみては如何でしょうか。
【秋はマイナー科目も詰めていこう】
秋はやはりマイナー科の季節でしょう。9月には内科は終え、10月頃からマイナー科を詰めていく。基本戦略としてはそのようなやり方の人が多いのではないかと思います。
ビデオ講義をまとめていくというやり方はどの科目でも通用する方法だと思いますが、マイナー科に関してはレビューブックなどを活用しても良いかもしれません。
実際に勉強を始めると分かりますが、マイナー科は出題数の割に覚えることが膨大で、全体を通しておそらく内科一周並みの勉強量があります。なので、ポイントを押さえて効率よく学習していく事が大切だと思います。
なので、レビューブックとビデオ講義を指標にしておくこと。これが一番よい対策になるかもしれません。
勿論、前回も言った通り、読んだり見たりするだけではダメです。手で書き、口を動かし、色んな方法で知識を深めていくように努めてください。
【一般問題対策として、一問一答ノートを作っていこう】
臨床問題を解こうと思うと、各領域の疾患の理解を深め、病態生理を身に着ける必要性があります。これはメジャー科、マイナー科どちらも同じです。
しかし、一般問題に関しては純粋な知識である為、病態生理を抑えたとしても、その知識を知らねば点数が取れません。その為、一般問題は一般問題として対策が別途必要です。
対策としてお勧めされるのは、過去問や模試の問題で一般問題だけをチェックしていき、間違えたところに関しては全選択肢を記入して、〇×をチェックしていく、いわゆる一問一答ノートが手ごろでしょう。
一問一答ノートは割とどこでも隙間時間でチェックする事ができますし、友達と口頭試問し合う材料にもなります。作り方も選択肢を書き写して〇×を付けるだけなので、あまり手間がかかりません。
なので、病態生理の勉強に飽きたタイミングなどで、一問一答ノートを作るなどという気分転換の仕方をやると、二重に勉強になります。僕は当時そうしていました。
皆様も是非真似してみてください。
【秋の模試は究極、解けなくても落ち込まない】
さて、直前期になると、模試の結果も気になってくるものだと思います。特にこの秋口のテストの結果というのは、今までの勉強がもろに反映されるので、気合が入っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、ここに落とし穴があるという事を僕は皆様に伝えねばなりません。
実はこの秋口のテストは、尋常じゃないほど難しい難易度で作られています。
レベルとしては通常の1.5倍増しの難しさだと思ってください。なので、秋口のテストの結果が悪いからと言って、必ずしも気にする必要性はありません。
これは、医学部だけではなく、大学受験でも同じことが言えます。
何故そのような難易度の設定になるのかという点に関しては今回割愛しますが、一つだけ絶対に心掛けてほしい事があります。それは、秋口のテスト結果が悪いからとやる気を失わないようにすることです。
ここでやる気を失ってしまうと、これまでの勉強が水の泡になってしまいます。何度でも言いますが、諦めたらそこで試合終了です。
だからこそ、秋口のテスト結果は、結果がどうであれ、ただ猛然と勉強をし続ける事を心掛けてもらえると幸いです。皆様是非最後まで、諦めず手を動かし続けてください。
【直前講習の申し込み時期は把握していますか?】
あと、これも忘れてはいけません。国試前の直前講習や、この時期に配信される講義動画や、特別授業などが予備校のホームページなどで告知されている事があります。
そういうお得な情報を目にしたら、できればきっちりと申し込んでおいた方がいいです。
特に各予備校の直前講義は、直前期にチェックしておくと直前の直前の指標にはなります。
また何を直前にやればいいのかについても話をしてくれますし、聞くだけでいよいよ国試だと気合も入ります。なので、是非直前講習は忘れずに申し込みをしておくといいでしょう。
参考に、12月頃には告知があるのではないかと思います。自分の学校の国家試験対策委員や各予備校に、いつ頃から直前講習の申し込みなのか、よく確認をして申し込みを忘れないようにしておくといいですね。
周りの友達とスケジュールを確認し合うでも、そういう漏れはなくなります。
【秋は意外と夜が冷えます。冷え対策に注意】
これは勉強とは別の軸の話ですが、9月に残暑だ、残暑だと言っていると、いつの間にか風邪をひいてしまうという話をよく聞きます。
実は9月でも暑さが緩まってきており、夜にガンガンと冷房を聞かせていると冷えすぎで体調を崩すことがあります。その他、身体があまり冷えると思考も働きません。
なので、秋口は昼夜の寒暖差を意識して、可能であればウィンドブレーカーやパーカーなど、脱ぎきしやすい上着を極力持ち歩くようにするのが良いでしょう。
夜の冷房も、いつもより温度を高めにしても良いかもしれません。お茶も少し暖かめのお茶を持つようにしてもいいでしょう。
体調管理も秋口は気を付けてください。
【最後に】
ということで、今回はこの秋口に皆様が確認をすべき勉強内容や生活上の注意を紹介させていただきました。
皆様も国試が近づいてくるとそわそわしてくることかと思いますが、落ち着いて挑めば何も怖い事はありません。
また模試は模試、国試は国試です。模試で成績が悪いからと言って、国試でも同様の結果になるかというとそうではなく、国試は直前の直前までどれだけの勉強をしたかが全てになってきます。
卒試は国試の対策をベースに、過去問での勉強などを追加していけば基本的に何とかなるはずです。なので、卒試の勉強に必要以上にとらわれない事もまた大切だと思います。
皆様が安心して国試に望めますよう、僕も皆様の事を応援しております!
著者プロフィール
ペンネーム:なつ
プロフィール:市中病院勤務の脳神経内科医。趣味は釣りと小説と東洋医学。臨床をこなしながら、
CES医師国家試験予備校で講師として「アウトプットする授業」をモットーとして学生の指導に
当たっている。僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。一緒に頑張りましょう!