初期研修インタビュー

2024-01-10

筑後市立病院(福岡県) 指導医(初期研修) 田中稔一郎先生 (2024年)

筑後市立病院(福岡県)の指導医、田中稔一郎先生に、病院の特徴や研修プログラムについてなど、様々なエピソードをお伺いしました。この内容は2024年に収録したものです。

筑後市立病院

〒833-0041
福岡県筑後市大字和泉917-1
TEL:0942-53-7511
FAX:0942-53-7515
病院URL:https://www.chikugocity-hp.jp/

田中先生の近影

名前 田中 稔一郎(シンイチロウ)
一般整形 上級医

職歴経歴 1990年、佐賀県に生まれる。2016年に愛知医科大学医学部を卒業後、2016年4月から名古屋市立西部医長センター病院に勤める。2018年4月から久留米大学整形外科、2022年4月から筑後市立病院に勤める。
資格 日本整形外科学会整形外科専門医

筑後市立病院の特徴を教えてください。

 筑後市立病院はどちらかというと、コモンディジーズが多い病院で、ジェネラリスト、いわゆる一般的な内科的疾患から外科的疾患解消まで学べるような病院になっております。臨床研修病院としては、高度な外傷や症例っていうよりは、コモンディジーズをメインにさばける医師を養成できるような研修プログラムになっていると思います。
さらに研修プログラムとしては非常に自由度が高く、自身の興味がある科を重点的に回ったり、それ以外の科もまんべんなく対応していけます。スキルや知識をより深めていくカリキュラムになっていると思います。

田中先生が整形外科の医師になったきっかけをお聞かせください。

 整形外科になったきっかけは、ただ単純に僕が元々柔道部だったことがあって、柔道関連の現場で、スポーツ活動やメディカルドクターみたいな事がやりたかったというのがあって整形外科医を志しました。
特に僕自身、怪我が多かったわけじゃないので、お世話になったという話ではないですが、そういった関係で働けたらいいなと思ってました。

病院勤務だけではなく、メディカルドクターのような働き方もされているのですか。

 例えば柔道に関して言えば、いわゆる金鷲旗と言われるような毎年1回行われる高校の全国大会だったりとか、九州で行われる全日本選手権だったりとドクターとして携わっています。あとは大学時代の先生とチームを組んで、九州内での柔道のサポートチームとして、携わっております。
今の研修医の先生も柔道部だったこともあり、研修医を連れて行って、一緒に現場活動をするほど、第一人者でやってもらってます。今年は研修医の先生が決勝の舞台でサポートを行っており、しっかりテレビに映っておりました。(笑)

先生がいらっしゃる整形外科の特徴をお聞かせください。

 整形外科はですね、基本的には患者さんの年齢層も、小児や若い患者さん、また高齢の方まで年齢層がまんべんない患者さんがいらっしゃいます。
その中で、特に我々一般整形が見る症例は、どちらかというと高齢者の方に多いんですけれども、基本的には命に直接関わるものではなく、治ったら自宅に元気に帰られるというところでも非常にやりがいを感じるところがあります。

田中先生の写真

筑後市立病院の研修プログラムの特徴についてお聞かせください。

 先ほどの内容に重複するかもしれませんが、筑後市立病院の研修プログラムは、自由度が本当に高く、とにかく本人のやりたいようにできるところが良いと思います。そこに尽きると思っています。
例えば、地域医療とか必須のものを終えたら、全て整形で回るなど、自分の好きな希望の科を回ることができるシステムになってます。逆に言うと、そういった希望がないと、なかなかやりがいを感じられない可能性もふくまれていると思います。本人が熱い思いがあって、これになりたいと興味があるようであれば、非常に良い研修先になると思います。
他にも、他の研修病院じゃできないようなこともできると思います。例えば整形外科に関してだけで言うと、研修医のうちから手技的なところや外来的なことなど、もう研修医という立場でなく一人の医師として扱っています。研修だけでは終わらせないというか、いろんなことがどんどん挑戦できるからこそ、一人前にも早くなりやすいっていう感じですかね。
本人のやる気次第で、何でもできます。やりたいことをきちんと声に出して言ってくれて、バチッとハマると、非常にいい経験ができると思います。

サポート体制はいかがでしょうか。

 全てにおいて基本的に相談できる環境が整っており、常に上級医が数名控えておりまして、いつでも相談ができ、どんな些細なことに対しても、丁寧に説明して、一緒にやってみようという体制ができています。
それを上級医がやるのではなく、研修医にやりがいを持って学んでもらうように研修医主体の診療してもらうと、いうように心がけてます。

研修医時代どのようにお過ごしでしたか?

 僕の研修医時代は、実は整形外科がないところで研修をしました。(笑)
整形外科を志してはいたんですけれど、小児科と迷ってるところもあって、その時に研修してた病院は、小児主体の病院でした。小児がメインなので、そのときに小児科になろうと思ってたんですけれども、最終的にどこに入局するってなった際、とても迷った挙句に最後に頭に出てきたのは「現場活動が主体で柔道がしたい」っていうところで、結局整形になりました。
整形外科の疾患に関して研修医でのときに何かすごく勉強したとか、そういうことはなかったんですけど、いざ整形外科医となってみたところ何不自由なくできております。研修医時代に培った他の疾患スキルなど何かと役に立つことの方が多いので、その研修医の先生方には、将来なりたい科とか、希望してる科に関わらず、いろんなことを経験して欲しなと思ってます。

初期研修医の指導にあたって、心がけておられることをお聞かせください。

 とにかくやりたいことを自由にやらせてます。こっちが強制してやらせるんではなく、普段でもサポートしてやりたい気持ちがあっても、本人にやってもらって、やりがいを感じられるようにサポートしていくっていうところに心を心がけてます。
ただ、大きな問題だったりトラブルを起こさないように、要所でアドバイスをして、きちんと指導していけるように、常に注意を払った上で、ほとんど本人主導で診療ができるようにしております。
ちなみに今日も、研修医の先生は1人で手術を執刀されてました。僕も手を洗っていたんですけど、手術には手を出しませんでした。もちろん多少時間がかかるんですけれども、患者さんの安全の範囲内でやっています。研修の先生にはしっかりやれる範囲で、本人がしっかりやりきったというやりがいを感じられるように、できるだけ手を出さずにアドバイスをしています。

田中先生の写真

巣立っていく先生方をご覧になって、どのような医師になって欲しいと思われますか。

 今の研修医の先生ですが、来年整形外科医になるとのことなので、その際に周りの研修医の先生よりも、一手も二手も先にいけるような先生になってほしいなと思います。
遊ぶところはしっかり遊んで、やれるところはきっちりとどんどんスキルを磨いてほしいなと思ってます。その中で、頭が固い先生にはなって欲しくなくて、周りとも協調性をもって頑張れるような人間になってほしいなと思っています。

今までご指導されてきた中で、印象に残っている研修医のエピソードがあればお聞かせください。

 現研修医の話しになってしまいますが、診療に関しても良い意味で「どんどんやりますやります」と言って、私たちの助けになってくれていますし、むしろやりたいことはきちんとやりたいと言ってくれて、その上で、自分でちょっと手に負えないとか不安に思ってることがあったら、それもきちんと口に出してくれるので、うまくその辺を見ながら、いろいろな診療をさせています。積極的な方だなと思っています。
あとはプライベートの方もフットワークが非常に軽いので、いろんなところに一緒に行っています。もちろん無理やりどっかに連れて行くっていうことはないです。(笑)
和気あいあいとやれる環境っていうとこにおいて、おそらく筑後市立病院以上のところはないと感じています!

【動画】田中先生

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